学生の頃同棲していた彼は、ゲーマーだった。
初めは主にプレステで遊んでいたと思う。
当時真面目一辺倒な性格のため鬱になりかかった私は、
医師に「ゲームをするような心の余裕を持ちましょう」と言われて
いたため、この人は心に余裕があって、どんな辛いときでも飄々と
乗り越えていけそうだと頼もしく思っていた。
その彼がネトゲに目覚めた。
あとは想像のとおり、見る間にネトゲ廃人になっていった。
一日20時間はPCの前にいた。寝るのも惜しいようだった。
そして時間が経ち、気がつくと大学の単位を落として
折角決まっていた就職も駄目になってしまっていた。
どうするの？と聞くと、あと1年ゲームできる時間が増えたからよかった、と。
それから徐々に冷めて別れた。
今となっては顔は思い出せない。ネットしている後姿だけ覚えている。