過程のスレはなんというか、回ってる大縄跳びに途中から入る様な微妙な難しさがあるな。 

さて、高校を卒業して教師と生徒という立場的なネックだけはなくなり、取り敢えず 
付き合える様にはなったものの、俺の方は県外の大学に進学して一人暮らし。 
新幹線その他でだいたい３時間半くらいかかる距離。 

先生の方は俺の代が卒業して新学期始まってから、部活の顧問とか引き受けちゃって。 
だから先生は多少お金あるけど時間が全く無くて、俺はまるっきりその逆。 
いきなり、直接逢える時間は月に一度あるかないかという有様になってしまった。 
たまに逢えたって、先生の部屋で二人で食事したり、お茶しながらダベったり、 
先生に言わせると「全然色っぽくない過ごし方」がほとんど。 

それでも俺にとっては初めてできた彼女だし、普段はそんなに頻度もないメールや電話、 
そんなもんでも充分だった。 
仕事ってそう都合よく進まないから、バイトして新幹線代貯めて逢いに行っても、先生の 
方は約束の時間に帰ってこれなかったりなんて事も良くあったけど、それはそれでね、 
食事の支度しながら帰宅待ってるのだって楽しかったし、お疲れ様でしたって肩揉んだり 
してあげるのも嬉しかった。 
両親共稼ぎでガキの頃から良く手伝ってたから上手いんだ、家事全般とか肩揉みとかね。 

でも、先生の方は俺ほど浮かれてなくて、だからといって冷めてた訳でも勿論なくて、 
なんというか、ニュアンス伝わるかどうか微妙だけど、半ば諦めてたみたい。 
この関係は大事にしたいけど、比較できないくらい今の仕事も大事だし、教師としては 
まだ駆け出しだから、仕事の上ではなかなか自分の都合を通せない。なかなか逢えない 
状態が続けば、毎日大学で顔会わせる同年代の女の子の方がいろんな意味で「近い」し、 
仲良くなるのが自然だろうって。 
だからきっと、残念だけどそのうち自分が振られて終っちゃうんだって思ってたらしい。 

そうなったらなったで、未練がましく執着しないのが大人の女だよねとか、そんなこと 
まで考えてたってさ。 
何言ってんですかって、俺なんて初めて話してから卒業式のその日まで、ずーっと 
先生のこと好きだったんだから、そう簡単に冷めてたまるもんですかって話ですよ。