316: 日出づる処の名無し 2004/06/16 01:42:00 ID:PVNKn9GK
泣ける話じゃないかもしれないけど。。 
日本の生物学者が台湾に行った時の話。 

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 それから私たちは村に到着し、とある商店に向かいました。すると、店の中から白い半袖の 
シャツを着て眼鏡を掛けた叔父さんがニコニコしながら出てきました。小さい頃、学校の帰りがけに 
よく見かけた自転車の荷台にお菓子を積んで売っているやさしい叔父さんと同じ目をしていました。 

 学者達はアイスボックスを覗いて、二言、三言、言葉を交わして何を買うか選んでいました 
(このとき学者たちは当然日本語を使っていました)。学者たちが買うものが決まったので、 
私は幾らですかと北京語で尋ねました。何故なら、この叔父さんの部族が日常的に用いている 
言葉がわかりませんでしたし、もし仮にわかったとしても私はその言葉を喋ることができなかったからです。 

 すると、店の叔父さんは「1つ5円、2つで10円でございます。」とニコニコしながら背骨をまっすぐに 
伸ばして日本語で答えたのでした。私はそのこと自体に驚きましたが、そのあとの学者たちの態度を 
見てさらに驚きました。まるで天皇陛下から勲章を受け取る時のように、直角に礼をしてアイスを 
受け取っていたのです。 

「あ、ありがとうございます。」 

学者たちはそのように言い、私がお金を支払うまでその姿勢を崩しませんでした。

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317: 日出づる処の名無し 2004/06/16 01:42:00 ID:PVNKn9GK
 店を出て、道を歩きながらモナカアイスを食べている学者たちに私はさきほどのことについて 
尋ねてみました。すると、学者たちは「日本で10円でございますなんて、いまどき聞けない、 
10円のように安いものなんか絶対、10円、としか言わない。10円です。とも言わない」 
「美しい言葉だ、美しい習慣だ」「まさか台湾の山奥にきて日本語を聞けるとは思わなかったし、 
それにこんなに美しい日本語を聞けるとは思わなかった、タイムスリップしたような気になる。」 
と感動した様子で口々に言いました。 

 学者たちの感動は続いたようで、そのあとの採集の時、何回か「10円でございます」と神妙に 
つぶやいていました。 

・・・ 

 帰り道、学者たちは採集したイシザキギセルを見ながら「10円でございます」とつぶやいて 
いました。もし、今回の採集で新種が発見されたならきっと美しい新種のカタツムリは 
ジュウエンマイマイと命名されるに違いありません。 

http://homepage1.nifty.com/MYO/sub16/sub16.htm

318: 日出づる処の名無し 2004/06/16 11:13:00 ID:h0ghmTBy
学者たん可愛いな

引用元: ★保存版★泣ける話@極東板 part2.5