461: 名も無き被検体774号+ 2013/04/06 23:36:05 ID:sXqxyigI0
よっしゃ

462: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/06 23:42:58 ID:iH3diVCK0
帰り道、方向がまったく一緒だったので女の子と2人で帰った 

俺「なんかその…ありがとうございました」 
女の子「何がですか?」 
俺「あの…輪に入れてくれて…」 
俺は恥ずかしいのに耐えながら、お礼を言う 

女の子「ああ。だって何か躊躇してましたから…」 
俺「いえ、ありがとうございます」 
女の子「そうでしたか」 
そう言うと女の子は、珍しく笑ってくれた

463: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/06 23:45:02 ID:iH3diVCK0
かつてなくいい雰囲気だったので、俺はここで勇気を出した 
今しかない。 

俺「あの、ご近所さんですし…良かったら連絡先教えてくれませんか?」 
女の子「いいですよ」 
そう言うと、女の子はすぐに携帯を取り出してくれた 

やった、これはやったぞ!と思ったのも束の間 
女の子「でも忙しいんであまりメールとかしませんよ」

スポンサードリンク

464: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/06 23:48:22 ID:iH3diVCK0
メールする前からの念押しか… 
これは脈なしか…?と少し落ち込んだけど 
何はともあれ連絡先はゲットできた 

これは凄い進歩だぞ!と思った 
俺「全然大丈夫ですよ。ありがとうございます」 
そう言って意気揚々とアドレスを交換した 

少し前までニートだった俺が、もの凄く進歩だ 
仕事も始めて、外交的にもなってきた 
自己満足かもしれないけど、そう思えるだけで凄く嬉しかったんだ

465: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/06 23:53:44 ID:iH3diVCK0
こうして、今では連絡もとることのない寂しい名前の並ぶ携帯の電話帳に 
「カドワキ」という新しい名前が増えた 
アドレス交換なんて、何年ぶりだったろうか。 

丁寧に「さよなら」と言ってぺこっと頭を下げてカドワキさんは家に帰って行った 
俺はなんだか久しぶりに胸がドキドキしちゃって、 
宿の自分の部屋に帰ってから 
ひたすら「よし!よし!」って言ってガッツポーズをしてた 
馬鹿だったよなぁw

466: 名も無き被検体774号+ 2013/04/06 23:54:47 ID:45Ld1ZsTI
wktk

467: 名も無き被検体774号+ 2013/04/06 23:59:05 ID:iZTdb2hb0
wktk

468: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:10:14 ID:4WWO0I6y0
それから俺は、さらに宿の仕事を一生懸命やるようになった 
真面目に働いて、沢山お客さんの笑顔見て、それが楽しかった 
そして、早くカドワキさんに会いたい 

次会ったらどんな顔をするかな?どんな事を話すかな? 
そればかりが頭を過るようになっていた 
やっぱり、恋のパワーって半端ないね 
毎日を全力で生きる原動力になっていたもの

469: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:17:02 ID:4WWO0I6y0
だが、昼の休憩時間にフラついても 
夕刻にケンの散歩に行っても、一向に会えなかった 
学校だろうか?忙しいのだろうか? 
色んな考えが頭をよぎった 

そして例の清掃からけっこう時間が空いた日だ 
俺はその日は休みをもらって、一日好きに過ごしていた 
夜になって蒸し暑くて、散歩ついでにコンビニ向かったんだ

471: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:22:42 ID:4WWO0I6y0
煙草と飲み物を買って、ボーっと帰り道を歩いてた 
街灯があまりなくて、夜になるとなかなか不気味な道なんだよな 

そんな事考えてたら、前方から人が歩いてきて少し身構えた 
こんな時間に一人で歩いてるって、けっこう怖い… 

カドワキ「こんばんは」 
俺「あ、こんばんは…」 
思っていたのとは違う形でドッキリした 
前から歩いてきたのは犬を連れたカドワキさんだった

472: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:28:20 ID:4WWO0I6y0
俺は思わぬ偶然に飛び上がるくらい嬉しかった 

俺「こんな時間に散歩なんて…部活とかだったんですか?」 
俺がそう言うと、カドワキさんは苦い顔をして「え?」と言った 

カドワキ「私働いてるんですが…」 
俺「え?」 
そう、高校生だというのは勝手な俺の勘違いだったんだ 
正直、本当に驚いた 
見た目はもの凄くあどけないから、高校生だって言われても全然分からない

473: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:34:19 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「私はもう今年で20歳で…社会人ですが」 
俺「そうだったんですか…」 

そういえば、この前の清掃の時にお互いの事をまったく聞いてなかった 
俺はなんだか怖くなった 
カドワキ「さっき仕事から帰ってきて…だからこんな時間で」 
俺「ああ、大変ですね…」 

カドワキ「そういえば、〇〇さんは何歳なんですか?」 
俺はこの質問に「え?」とどもってしまってなかなか答えられえなかった

474: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 00:34:52 ID:zbKPD5x20
みてるよ

475: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:38:44 ID:4WWO0I6y0
俺「24歳ですが…」 
まずい、この流れはまずい…俺は凄く嫌な感じがした 
少し前までの、恥ずかしい自分を必氏に押し殺して隠してきた感情だ 

カドワキ「24?若いから珍しいとは思ってたんですが…」 
カドワキ「前は何かやってたんですか?」 

来た。この質問だ。 
この質問が怖いんだ よりによって自分が惹かれている異性に、この質問をされるなんて

476: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:41:00 ID:4WWO0I6y0
言うのか?好きな人に、 
自分が「今までニートしてたんです」ってことを。 
言いたくない、そりゃそんなの誰だって言いたくない 

でも俺は咄嗟に上手い言い逃れも思い浮かばず、 
カドワキさんを信じて、全てを曝け出すことにしたんだ 
どうせ、いつかは絶対にバレることだしね。 
そんなの、ニートをやっていた奴の宿命だろう 悪いのは全部自分だ

478: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 00:50:57 ID:Yfd7VCOo0
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン 
バン       バンバンバン゙ン バンバン 
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン 
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/ 
    \/___/ ̄ 
  バン    はよ 
バン(∩`・д・) バン  はよ 
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/    
 ̄ ̄\/___/ 
    ドゴォォォォン!! 
        ; '     ; 
     \,,(' ⌒`;;) 
   !!,' (;; (´・:;⌒)/ 
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’ 
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),` 
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/ 
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄ 
          /\ 
     . ∵ ./  ./| 
     _, ,_゚ ∴\// 
   (ノ゚Д゚)ノ   |/ 
  /  / 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ 
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ 
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ 
 _/_ミつ/ ̄/_ 
      /_/

479: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:54:33 ID:4WWO0I6y0
俺「あの…大学を卒業してから…その…」 
カドワキ「はい?」 
俺「ちょっとの間ニートだったんです」 

俺がそう言うと、彼女は目を見開いた 
カドワキ「ニートって?あのニートですか?」 
俺「はい、そうです」 
カドワキ「え、本当ですか?」

480: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 00:57:07 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「うっそ…初めて見た…」 
俺「ですよね」 
彼女の表情がどんどんこわばっていく 

カドワキ「信じられない…どうして?なんでそんな事したんですか?」 
俺「それが…自分でも分からなくて…」 

カドワキ「分からない?何ですかそれ?なにやってたか分かってるんですか?」 
俺「ええ…」 
彼女がどんどんヒートアップしていく 
まずい流れだ

483: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 01:00:55 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「それでここに来たんですか?なんで?なんでですか?」 
俺「いや、とてもいい所で…」 

カドワキ「夢とか、やりたい事とか、ないんですか?」 
俺「いや、特には…あることにはあったんですが…」 
カドワキ「なんですかそれ?」 
俺も、どんどん感情的になる彼女に押される一方だった 

カドワキ「結局、ニートができるだけの環境と余裕があったからですよね?」 
カドワキ「必氏にならなくても、それができるだけの自由があったんですよね?」 

普段からは到底考えらないくらい、彼女は感情を剥き出しにした

484: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 01:02:46 ID:tO1nJvR60
すると突然、まばゆいばかりのスポットライトが飛び出したカドワキさんを映し出す 
「N-E-E-Tは」「どこだ!」ステージにカドワキさんの声が響く 
詰め掛けたオーディエンスはカドワキさんの久々のステージに期待で爆発しそうだ 
今晩も伝説のリリックが聴ける。ストリート生まれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのだ 
キャップを斜めに被りオーバーサイズのTシャツをきた旅館の親父さんがターンテーブルをいじりながら目でカドワキさんに合図する 
重たいサウンドがスピーカーから響く。ショウの始まりだ

485: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 01:06:41 ID:4WWO0I6y0
彼女は大声で「信じられない」と言って首を振った 
俺は、もう呆然として見つめているだけだった 

カドワキ「どうしてそんな恵まれていて…そんな事したんですか?」 
カドワキ「あり得ないです」 
そう言って彼女は大きく息を吐いた 
俺は、ただ黙るだけだった 

カドワキ「私、ダメです。ごめんなさい」 
そう言い残し、彼女は駆け足で俺の元から去って行った

486: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 01:10:27 ID:4WWO0I6y0
怒涛の罵声を浴び、一人取り残された俺は 
「まあ、そりゃそうだよな」って自分に言い聞かせるように考えた 
ニートなんてしてた自分が悪いのだから 

でも、あそこまで感情的になるなんて思わなかった 
それも、好きになっていた女の子に、あそこまで言われると思わなかった 
ニートとかそういった類のものに、何か特別な想いがあるのだろうか 

流石の俺も、この日のカドワキさんからの言葉は 
かなり心に重くのしかかってしまった

487: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 01:12:15 ID:4WWO0I6y0
ということで今日はこの辺で落ちます 
明日あたりに終わらせると思います 
見てくれてる人、ありがとうです。

488: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 01:12:53 ID:zbKPD5x20
ニートってこんなに弾圧される存在なのか…

489: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 01:13:33 ID:zbKPD5x20
おもしろかった 
あしたもできればたのみます

502: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 17:36:10 ID:4WWO0I6y0
どうも 
保守ありがとうです 
続きいきますね。

503: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 17:39:44 ID:5D+f7B5t0
見てるぜ頼む 
釣りじゃないよな

504: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 17:40:22 ID:4WWO0I6y0
俺はとにかくショックだった 
あそこまで言われた事はもちろん、 
好きになった人に嫌われてしまった事実が、どうしようもなく嫌だった 

こんな歳になってせっかく恋に落ちて、こんな終わり方をするんだなって 
一人虚しくなった 

俺はこの時初めて、実感的に、自分がニートだったことを 
心底後悔して恨んだ 
馬鹿やってたなぁ、って

505: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 17:48:12 ID:4WWO0I6y0
今思えば、あそこまで言うカドワキさんも少々変だけど 
この時の俺は不思議と、全面的に自分がいけないんだって信じて疑わなかった 

宿に戻ってから、玄関に置いてある灰皿の前でひたすら煙草を吸った 
なんかもう、この世の終わりと感じるくらいに悲しかった 

次の日から朝起きるのもひたすらしんどくなって 
あと一歩でまたニート時代に戻る寸前だった 
親父さんにも「元気ないけど大丈夫?」と心配されるくらいだった

506: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 17:57:30 ID:4WWO0I6y0
勝手に落ち込んで、元気をなくして周りに心配させる自分 
そんな状態が本当に申し訳なくて、自分に嫌気が差した 
あんなにも楽しかった宿の仕事の一つ一つが、 
「なんで事してんだろう」に変わり始めて 

「そろそろ辞めてしまおう」そんな思考になりかけていた頃だった 
昼のヒマな時間、休憩してる時 
滅多に鳴ることのない俺の携帯に着信があった

508: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:06:26 ID:4WWO0I6y0
俺「もしもし…」 
カドワキ「あの…」 
その声は、聞いてすぐに普通じゃないと分かるくらいにしゃがれ声だった 

俺「どうかしたんですか?」 
カドワキ「助けてくれませんか」 
俺「え?」

510: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:12:59 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「いあ…その、なんというか…」 
俺「どうしたんですか?大丈夫ですか?」 
カドワキ「体調を壊して…」 
俺は突然のことだったので動転した 

カドワキ「動けないんです…今…」 
俺「は、はい…」 
カドワキ「凄く近所なので…何か食べるものを…」 
俺「持っていけばいいんですね?」

512: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:28:26 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「は…はい…」 
俺「分かりました。てきとーに見繕ってすぐ行きますね?」 
カドワキ「ごめんなさい…」 

この時、様々な疑問が浮かんだ 
何故俺なんだ?確かに至極近所ではあるが 
他に頼る人は?親はいないのか? 

しかしそんな事は気にせず、 
とにかくすぐにカドワキさんの家へと向かうことにした

513: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:36:17 ID:4WWO0I6y0
俺はコンビニへと走って、 
栄養ドリンクやバナナ、お粥のパックなんかを買って 
すぐにカドワキさんの家へと向かった 

自分が何をしていて、何故こんな状況になっているのか 
よく分からなかったけど、必氏になって走って 
早く届けてあげよう、と思った 
あんな事を言われた後だったのに、頼ってくれた嬉しさがあったんだ 

なぜか、ドキドキしてる自分がいたんだよな

514: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:47:31 ID:4WWO0I6y0
コンビニの袋を下げて、必氏になって走った 
6月の終わりくらいでもう凄く熱くて、汗だくになった 
カドワキさんの家の前に着くと、息が上がりきってクラクラした 

「カドワキ豆腐店」と書かれた家の前は、シャッターが下りていた 
豆腐屋だったのか、と一人で思って 
急いで入れるドアを探す 

回りこんで家の側面に入ると、玄関らしき扉があったので 
インターホンを鳴らして「いますかー?」と必氏に呼びかけた

516: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:55:11 ID:4WWO0I6y0
しばらく待っていると、古ぼけた薄茶色の扉が開いた 
マスクをして、目を真っ赤にしたカドワキさんが出てきた 

俺「大丈夫ですか…?これ、買って来ましたよ」 
カドワキ「ありがと…」 
そう言ってだるそうにして差し出した袋を受け取る 
本当に虚ろと言った感じなので、俺は心配になった 

俺「いや、熱何度あるんですか…?」

517: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 18:58:37 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「ん…40度くらい…」 
俺「はい?そんなんじゃお粥なんか自分で作れないでしょう」 
カドワキさんは「う~…」という返事ともとれない返事をしたので、俺は決心した 

俺「嫌かもしれませんが、お粥くらい作ってきますよ?」 
カドワキ「あ…え…」 
俺「なんか食べないと本当に氏んじゃいます」 
カドワキ「う…」

518: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 19:01:51 ID:akmBWQch0
読みやすいな…… 
一気に読んで すんなり追いついた

519: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 19:02:00 ID:4WWO0I6y0
俺「お粥だけ作って、すぐに出て行きます…」 
カドワキ「あー…」 
俺「ちょっとだけ、入れてもらえますか?」 
俺が意を決してそう言うと、 
カドワキ「どうぞ…」 
とだけ言ってフラフラと家の中に戻っていった 

俺は「お邪魔します…」とだけ生真面目に言って、カドワキさんの家に入った

520: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 19:07:05 ID:4WWO0I6y0
カドワキさんの家の中は昔ながらの感じで 
イメージとはまったく違った 何というか、年季が入っている 
板張りの廊下は昼間なのに暗くて、なんだかひんやりしていた 
もっと、小綺麗でおしゃれな感じにしてるかと思っていた 

俺が居間に入ると、カドワキさんはその場に座り込んでしまった 
カドワキ「ごめんなさい…」 
俺「いいんです。すぐにお粥だけ作っちゃうんで、少しだけ待っててくださいね」

521: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 19:13:46 ID:4WWO0I6y0
台所に続く玉のれんをくぐると、使い込まれたキッチンがあった 
年季が入った家ではあったけど、いつも綺麗にしてるんだなってすぐ分かった 

買ってきた栄養ドリンクやゼリーなどを冷蔵庫に入れていると 
冷蔵庫に貼ってある一枚の写真に気付いた 
あどけない少女と初老の男性が、ピアノの前で花束を持って笑っている 
カドワキさんだろうか?そんな事を思ったけど 

すぐに袋からお粥のパウチを取り出して、 
今自分がやるべきことに専念することにした

522: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 19:28:45 ID:3HQWCNWT0
続き!

523: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 20:22:00 ID:N8suzU7c0
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン 
バン       バンバンバン゙ン バンバン 
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン 
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/ 
    \/___/ ̄

524: 名も無き被検体774号+ 2013/04/07 21:12:40 ID:Yfd7VCOo0
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン 
バン       バンバンバン゙ン バンバン 
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン 
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/ 
    \/___/ ̄ 
  バン    はよ 
バン(∩`・д・) バン  はよ 
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/    
 ̄ ̄\/___/ 
    ドゴォォォォン!! 
        ; '     ; 
     \,,(' ⌒`;;) 
   !!,' (;; (´・:;⌒)/ 
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’ 
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),` 
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/ 
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄ 
          /\ 
     . ∵ ./  ./| 
     _, ,_゚ ∴\// 
   (ノ゚Д゚)ノ   |/ 
  /  / 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ 
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ 
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ 
 _/_ミつ/ ̄/_ 
      /_/

527: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:06:02 ID:4WWO0I6y0
鍋を探して、水を入れて、火にかける 
沸騰するのを待ってる間、買ってきた冷えピタをカドワキさんに渡し 
スポーツ飲料をコップに入れて居間のテーブルに置いた 

カドワキさんは「ありがと…」と言いながらグッタリしていた 
本当に朦朧としている様子 
俺はありがとう、と言われることが何だか嬉しくて 
こんな状況ながら、少しだけときめいていたんだ

528: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:10:08 ID:4WWO0I6y0
そうこうしてるうちに鍋の中が沸騰して、お粥が完成した 
俺「お粥できました。卵は無理だろうから、普通のやつです」 
俺「海苔とか、塩とかで味つけましょうね」 

カドワキ「ありがと…」 
俺「いえいえ」 
そう言って、居間のテーブルにお粥と、塩を並べた 

そして、しばらくぼーっと出来上がったお粥を眺めているカドワキさん

529: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:17:10 ID:4WWO0I6y0
俺「食べられそうにないですか?」 
カドワキ「うん…」 
俺「まいったな…少し、頑張ってみましょう」 
そう言って俺もゆっくり待つことにした 

居間を見回していると、わきにピアノがあるのに気付いた 
さっきの写真は、やっぱりカドワキさんだったのか… 
気づけば、そのピアノの上に幾つかの盾やトロフィーも並んでいた

530: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:20:23 ID:4WWO0I6y0
しかし、こんな状況下でさすがに 
「カドワキさんピアノ弾くんですかー?」なんて話しかけることもできず 
自分の中で納得しただけだった 

趣味でピアノ弾くのかな…なんて一人で思っていたら 
カドワキ「だめ…だめだ…」 
と話しかけてきた 

俺「え、やっぱり無理ですか?」 
カドワキ「食べる…どころじゃない…」

531: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:23:02 ID:4WWO0I6y0
参った、これが食べられないなら、とうとう急いで病院に行かないと 
俺「少しも無理ですか?」 
カドワキ「ん…」 
そして喋るのすら辛そうになってきている 

俺「分かりました。カドワキさん、外に車ありましたね?」 
カドワキ「え…はぁ…」 
俺「病院行きましょう」

533: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:30:36 ID:4WWO0I6y0
カドワキ「あ…え…」 
俺「いやいや、悩んでる暇ないです。」 
俺「大丈夫です、安全運転で連れてってあげますw」 

そう言うと、カドワキさんの顔が少しだけほころんで、 
「わかった…」とだけ俺に言った 

俺「財布はどっちでもいいですけど、保険証だけは持ってくださいね」 
カドワキ「うん…」 
もうフラフラだったので、俺が肩を貸して外に出て、車に乗せた

535: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:47:59 ID:4WWO0I6y0
正直、俺はペーパードライバーに近かったので、かなり緊張した 
ただ、助手席で今にも崩れ落ちそうなカドワキさんを乗せていたので 
そんな事は言い出せなかった 

幸い、一度こっちに来てから消化不良で内科に行ったことがあったので 
病院の場所だけは頭に入っていたんだ 

カドワキさんを安心させたかったので、 
「すぐに着きますよ」とか言いながら車を発進させた

536: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/07 22:55:54 ID:4WWO0I6y0
道中、俺が車の運転に集中していたのもあって、沈黙が続いた 
すると、熱に浮かされたのか、カドワキさんが喋り出した 

カドワキ「良かった…」 
俺「はい?」 
カドワキ「ありがとう…」 
シートを倒して背もたれに倒れかかっているカドワキさんが 
必氏になって喋っていた 

俺「無理して喋らなくていいんですよ」

583: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/10 22:34:12 ID:1qYjTR8a0
こんばんは>>1です 
>>536の続きから書きます  
待たせて本当ごめんなさい

559: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 01:42:22 ID:v2fIaamlO
私 ペーパー黙ってて病人を車に乗せるような無責任な男どうかと思う なぜタクシーにしないのか この時点でカドワキの事を大事に思ってない

561: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 02:37:51 ID:5fAbATdT0
>>559何様だよ

564: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 17:53:45 ID:v2fIaamlO
>>561 いや ごく普通の感覚だから 自分なら乗る?乗せる?

567: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 18:37:52 ID:I3gMPTox0
>>564 
あなたにとってはそれが普通なのは理解できる 
でもそれを普通と思わない人がいるのも理解してほしい 
俺なら車。無免許じゃないんだからw 

ま、保守代わりの戯言だよ~

562: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 11:13:40 ID:46DMdukX0
>>559 必氏だったんだよ

560: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 02:04:50 ID:5qsE2Wcu0
今日も来なかったか 
本当に焦らすねぇ

563: 名も無き被検体774号+ 2013/04/09 12:58:54 ID:zhNg8AYl0
40℃って結構緊急事態だからね 
タクシー待ってる暇ないかも

572: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/09 23:58:13 ID:rTpiJz7M0
偽物です。 
自分は忙しいので、今書けません 
基本的にトリップなしは一切信じないでください 
よろしくです 

自分が描くときは必ず酉をつけますので、トリ無しの書き込みは全て偽物です 
明日には来ます ごめんなさい

585: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/10 22:37:30 ID:1qYjTR8a0
カドワキ「いいの…あのね…」 
俺「はい…」 
熱気が溜まって蒸し暑い車内で、カドワキさんは必氏に喋る 

カドワキ「頭のこれ…が」 
俺「ええ」 
カドワキ「ひんやりしてて…気持ちいい」 
俺「ああ、冷えピタですね。買ってきて良かったw」

586: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/10 22:39:59 ID:1qYjTR8a0
カドワキ「昔…さ…」 
俺「はいはい」 
カドワキ「よく…お父さんがね…」 
俺「ええ」 

カドワキ「氷枕を…作ってくれて…」 
俺「氷枕ですか。」 
カドワキ「すごく…嬉しくて…」 
俺「へえ、そうなんですかw」

588: ◆GZ9LcuBAFk 2013/04/10 22:43:37 ID:1qYjTR8a0
カドワキ「なんだか…それをね」 
俺「はい。」 
カドワキ「思い出しちゃった…」 
俺はその言葉に、何も言い返せなかった 

信号に止まって横を見ると、ぐったりして椅子に寝ているカドワキさんがいる 
カドワキ「本当はすごく…不安で…」 
俺「はい」 
カドワキ「嬉しい…よ」


【超感動長編】クズな俺でも夢を持った
  PART 1
  PART 2
  PART 3
  PART 4
  PART 5
  PART 6



引用元: クズな俺でも夢を持った