544: 癒されたい名無しさん 2008/02/07 12:43:49 ID:ebnbFK4W
5歳の年だったでしょうか、
ある日「お父さん」が出来ました。

それまで知らない土地で母以外の大人を初めて見ました。 
喜んで懐く弟達とは逆で私は「お父さん」を受け入れられず
そんな気持ちのまま高校生になりました。 


所が、あんなに「おとうさん!!」と懐いていた下の弟。年頃になって反抗ばかり。 
何かにつけて「あいつは本当の父親じゃないくせに…」と言うようになっていました。 



そしてあの日、弟は言ってしまいました。 

夕飯の最中。大した事ではないけれど揉めた「お父さん」と弟。 


「本当の親父でもないくせにうるせえんだよ!!」 


…。その時父は静に「ご飯が冷めるから食べなさい」 
とだけ言って黙々と食事をしていました。 

その後夕飯の後片付けをしていた時に母が急に 
「あんた覚えてる?魚の骨。」 

「え…??」 

「やっぱり(笑)あんたと○○(上記の弟)は小さい時魚食べられなかったのよ。
「お魚は骨あって嫌だ!」って泣いてたの。」 


母に聞いたところその時父がすぐに泣いてた私のところに来て 
「お魚の骨取ってあげるからご飯食べようね」って 
連れて行ってくれたそうです。 

大きい骨、小さい骨はピンセットで。。。 

お魚の出る日は仕事から帰ってきて必ずピンセットを持って台所に行っていた。 

何してるんだろうとは思っていたけれど… 

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その時によく父はこう言ってたそうです。 

「俺はあの子達の本当のお父さんではない。 
 だからこんな魚の骨を取ったりそんな事くらいしか
 出来ない。でもこれはすごく幸せなんだ。 
 子供達がこの魚を食べる姿が見られるんだから。」 


聞いた後涙が止まりませんでした。 

そのすぐ後弟は少年院に入りました。 
後輩をかばって罪を全部背負って…。 
卒院が決まったその時も父は真っ先に 
「迎えに行こう。」と言いました。 


私と弟は今でもお魚が大好きです。 
でもお父さんはもっと大好きです。

引用元: 【泣ける話】