速報ガール




67: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 00:03:23 ID:DL95RUhK
今からもう12年前の話。 
オヤジは中国が大好きだった。 

だからという訳ではないが、中国人の人と再婚すると 
言い出した。もちろんみんな大反対。でも結局一人で 
中国に行き淑子さん(日本ではそう呼ばせた)を連れてきた。 

始めは「まあ連れて来たならしょうがない」という感じで 
仲良くしていた。俺と年齢が7歳しか変わらなかったから 
もうお姉さん感覚だよ。だけどこの淑子さん、全然働かない。 

料理はたまに作っていたけど、とにかく部屋にこもりっきり。 
俺もだんだんと頭にきて冷たくあたるようになった。 

今考えたらホントかわいそうな事してた。ひどいことしてた。 

オヤジにもひどいことしてた。「早く返せ」ってばっかり云ってた。 
あまりにも俺を含め家族が2人を追い詰めていたからとうとう 
淑子さんは半年で帰っていっちゃった。 

そのときの俺はせいせいした。とても嬉しかったと思う。

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68: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 00:15:20 ID:DL95RUhK
そんなオヤジも氏んでからもうすぐ4年経つ。 
俺はオヤジの後継者でいわゆるボンボンだったから 
甘えてばっかりいたんだ。『2代目は潰す』まさにその通り。 
オヤジでもっていたの、会社は。氏んでから半年で店じまい。 
俺は居られなくなって東京に出た。そりゃ東京だもん。 
甘ちゃんには厳しかった。地獄の苦しみだった。 
でも人の痛みが判った。生きるという意味も何となくわかった。 
そしたら・・・・・・バカでした。俺ホントバカだった。

71: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 00:24:28 ID:DL95RUhK
何で淑子さんに優しく出来なかったんだろう。 
なんでオヤジを憎んでたんだろう。 
オヤジは氏ぬ前に本を出版した。 
もう長くはないと悟ったときに書き始めたみたい。 
普通の小説だけど実は俺へのメッセージ。 
俺はオヤジが再婚してからほとんど会話がなくなった。 
ケンカしかしなかった。なんか知らないけど憎くてさ。 
亡くなった直後も別に悲しくなかった。 
小説は知っていた。けど全く読む気はなかった。 
むしろとても嫌だった。

73: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 00:43:08 ID:DL95RUhK
東京に出てしばらくして故郷が恋しくなって 
なんとなく人恋しくて初めてオヤジの本を読んだ。 
オヤジが高校時代の頃のエピソードなどが書かれている。 
そのとき初めて知った。オヤジも人間だったんだなあと。 
まっ、そりゃそうなんだけど。 

つらかっただろうなあ。よく淑子さんと2人で近くの川で 
釣りしてたなあ。 
「いい年こいてガキみたいなことすんなよ」 
「近所の笑いものになるからやめろよ」 
俺、ボロクソ云ってた。

75: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 00:56:14 ID:DL95RUhK
嬉しそうに俺にさ、 
「ジュン、ウナギがつれたぞ」 
「ハゼもこんなにいっぱいいるぞ」 
「チヌもこんなでかいのが釣れたぞ」って云ったって 
俺キライだったし、2人が嬉しそうなのも嫌いだったし。 
不機嫌な顔してさ。いっつも「あっそう」だったよな。 
唯一淑子さんが笑った、活き活きとした顔見たのもそのときだった。 
なんで俺、不機嫌だったのだろう。 
実はウナギ焼いてる時、声かけたかったんだ。 
実は俺も一緒に釣りたかったんだ。 
実は俺もとっても嬉しかったんだ。

76: 癒されたい名無しさん 2007/01/07 01:13:17 ID:DL95RUhK
おとうさん 
俺結局、あなたの子供です。 
今、東京で釣りの仕事をしています。 
遠い昔あなたが教えてくれた釣りをあなたほどはうまくは 
教えられないけど、自然と遊ぶことを忘れかけている 
子供たちに教えていきます。そしていつの日か、 
あなたと淑子さんが楽しんだ本当の釣りを俺もやりたいです。

引用元: 【泣ける話】