877: おさかなくわえた名無しさん 2005/01/16 20:29:51 ID:eCE6Wv6A
みんなのと比べると小さい事なんだけどさ。 

厨房時代のある雨の日。やっと塾が終わって帰るのにバスに乗ったんだけど 
降りた瞬間に足元に蛙がいるのを見つけた。 
8時を過ぎてた上に冬だったからかなり暗かったけど確かに蛙だった。 

あやうく踏みそうになったけどなんとか避けた。 
幸い俺の他に下車する人も居なかったし、もう踏まれる心配は無いと思った。 
蛙をあまり見たことが無かった俺は、「数分だけ観察しようかな」と思った。 

ゲコゲコ鳴いたりしてすげーとか一人ではしゃいでた。数分後、 
その蛙は今いる歩道ではなく車道に向かって行った。 
家路に急ぐ車が絶え間無く道路を走っていた。 
ゆっくりゆっくり這っていった。このままだと蛙は確実に車に轢かれる。

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878: 続き 2005/01/16 20:30:36 ID:eCE6Wv6A
俺はどうしようかと焦った。 
俺は助けようか必死に考えた。助けなかったら確実に蛙は死ぬ。 
でも助けたら手が汚くなる。俺の頭の中で「足で草むらにどかしてやればいいだろ」という声がした。 
即座に「靴が汚れる」という声がした。考えているうちにも蛙は進んでいる。 

蛙が轢かれた。濡れた靴で大理石の上を歩いた音と 
泥を思いっきり踏んだ音が混じったような音がした。 
蛙はまだ動いていた。しかし最初に轢いたタイヤは前輪だった。 
後輪がもう一度蛙を轢く。蛙はまだ動いていた。 
2台目が来た。もう二度轢いたが蛙はまだ動いていた。 
3台目が来た。もう二度轢いたら 

蛙は動かなくなった。蛙の残骸を4台目、5台目が轢いていく。 
残骸はどんどん平べったくなっていく。 
耐え切れなくなって俺はその場を離れた。 

家に帰る道すがら、罪悪感でいっぱいになった。 
眠たかった脳みそは冴えきっていた。 

少し汚れるだけなのに・・・

906: おさかなくわえた名無しさん 2005/01/19 03:27:08 ID:DYLZ4Zfq
>>878 
カエルが大好きな私は泣いた

引用元: 奥様が墓場まで持っていく黒い過去【黒の4】