710: 癒されたい名無しさん 2008/09/28 18:56:46 ID:Jdn/sMyA
彼はいつも眩しいスポットライトの下にいた。 

とても人気があったし、実力だって十分にあった。 
けれどその分、辛いこともあった。 
厳しい世界だ。仲間だってライバルで、どんどん辞めてく。 
そんな彼を支えたのは彼の彼女だった。 

長年付き合ってるとかってわけではなかったが、すごく愛し合っていた。 
彼は彼女の為に頑張ったようなもんだった。 
でもある日、彼女は事故でなくなった。飲酒運転だった。 

彼は今まで積み重ねてきた努力を捨てた。 
その代わり、彼はすごく優しくなった。すごく強い人になった。 
やっぱり、そんな彼を好きのなる人はたくさんいた。 

でも彼は高校生になってもしばらく彼女を作らなかった。 
聞いてみると、「あいつほど本気になれる女がいない」んだと。 
そんな中で彼にすごく積極的な子がいた。 

会話の中でも普通に好き、と言ってよく困らせていた。 
告白したのは数知れない。でも彼はいつも俺じゃだめだよ、と言った。 

彼女は心臓に病気をもっていた。そして彼は人が亡くなったりすることに敏感だった。 
とうとう彼女は発作が起きたと嘘ついて構ってもらおうとした。 

彼は何度嘘つかれても、たくさんの汗をかいて彼女のもとへ向かった。 
とうとう彼女は「付き合ってくれないと自殺する」と言った。 
さすがに彼は相手にしなかった。まさか、と思ったのだろう。 

でも彼女は本当に自殺しようとした。彼の目の前で電車のホームで飛び込もうとした。 
彼は彼女と付き合いだした。彼女の口癖は「私のことすき?」だった。 
彼は優しいから、いつも少し悲しそうに「すきだよ」と言っていた。 

そんなある日、彼のお父さんが亡くなった。 
体育祭の練習をしているときだった。彼はクラスのみんなにこう言った。 
「あの、なんか・・・」こっからは彼は泣いていた。 

俺は生まれたときから彼と仲良くしていたが、泣いたのは初めてみた。 
「今、俺の親父・・氏んじゃったんで・・・」彼は泣いてることを隠そうとしていた。 
「ごめんなさい・・練習抜けます・・」彼は走っていってしまった。 

彼のお父さんが前から危なかったの知っていた。でも彼女は知らなかった。 
その時彼女はすごく驚いた顔をしていた。意味が分からない、と。 

きっと彼はもうあまり長くない彼女にはいえなかったのだと思う。

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711: 癒されたい名無しさん 2008/09/28 19:01:54 ID:Jdn/sMyA
彼は誰に対しても優しかった。さりげなくやさしかった。 
よく相談されたりしている所を見かけた。彼は慕われていた。 

彼はお父さんが亡くなってから働くことになった。 
彼には妹がいた。まだ中学生になったばかりだった。 

迷わず高校を辞めて、彼は必氏に働いた。 
ときどき、夜中に仕事帰りだと思われる彼をみかける。 
たまに電話しようかな、とか声をかけようかなと思うけど、 

こんな風に何にも一生懸命じゃない俺は恥ずかしくてできない。 
彼女とはどうなったかは知らないが、きっとまだ付き合っていると思う。 
俺は彼を尊敬している。

引用元: 【泣ける話】