820: おさかなくわえた名無しさん 2005/01/11 21:15:19 ID:vmI0Qj9x
新入社員で初任配属された部署は、激務で有名なところだった。 

課長や部長もかなり厳しい人たちで、日々怒声が飛び交っているようなところ。 
自分の直属の係長はそんな中で、ご多分に漏れずいつも課長に怒られていた。 
係長の職責と言えばそれまでだが、俺らヒラの書類でも怒られるし、 
部署の特性上、他部署のやった行動についてまで怒られるという理不尽もあった。 

当然俺らヒラに厳しくなってもおかしくないのに、係長は諭す口調でいつも物を言った。 

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初任の年のクリスマスイブも、突然技術屋から持ってこられた問題で、 
自分と係長で深夜まで残業した。 
係長は自分のせいじゃないのに「悪かったね」と言って、寿司屋で奢ってくれた。 
係長こそ家に子どもさんが待ってるじゃないですか、と言ったら、 
「僕の家のクリスマスは明日本番やることになってるから」と見え透いた嘘を言った。 

3年間一緒に仕事をした後、初任は3年で動くという慣例から自分は異動になった。 
「多分君はここに戻ってくると思うよ、なんとなく」といって、係長は最後の日も寿司を奢ってくれた。 
部署の雰囲気は嫌いだったが、自分の専門性を活かせる部署だったので、 
係長の言葉は正直に嬉しかった。 

今日会社で電話がかかってきた。前の部署の先輩からだった。 
係長が(もう課長になってたけど)亡くなったという電話だった。 
原因は病気としか聞いていない。明後日お通夜。 

自分は我が強くて、指導しにくい新入社員だったでしょう。 
今、自分が新人を指導する立場になって、あの頃の自分の生意気さ加減に腹が立ちます。 
今自分が会社で働いていられるのは、あなたのお陰だと思っております。

821: おさかなくわえた名無しさん 2005/01/11 21:20:11 ID:5RzNq9e8
>>820 
ええ話や・・・・゚・(つД`)・゚・
 
引用元: (⊃д`) せつない想い出 その6 (´・ω・`)