23: ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/04/15 13:02:12 ID:pvGWusw3O
彼女との一番の思い出は、あの風景だった 


片目がほとんど見えないから、スポーツができない。体が弱いから、コンパやサークルにも参加できなかった。学生時代、親友と呼べる仲間は数人だった 

長時間働くこともできない。性欲がないから、彼女と家庭を持てない。結婚もしてあげられない 
彼女の親に挨拶に行った日、父親に「お前みたいな奴が、娘を幸せにできるのか」と言われた 

答えられなかった。それに、父親を責める気にもならなかった。俺があの人の立場なら、こんな奴に、可愛くて優しい娘はやるはずがない 

「できません」 

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喉元までそんな声が出掛かっていた。喉がカラカラにだった 
「俺には、できません」。しかし言葉が出る前に、彼女が立ち上がり、言った。 

「彼と結婚します」 
凛とした、強くて美しい声だった。 

俺はすぐに帰された。後から聞いたが、その後は大騒ぎになったらしい。彼女は父親にぶたれたと、困った顔で言った。親戚にも反対されたと 

俺は幸せでいっぱいだった。でも彼女は? 俺みたいな奴のために一生を無駄にする気か? 
同情ならやめてくれ! 
俺以外のどんな男でも、君を幸せにできるだろう 
俺は何も持ってない…… 
そう言ったら、 
彼女は俺をひっぱたいた。 
泣いた 
そして、抱きついてきた 

俺はたっぷり何分も迷った末、彼女を抱き締めた 





しかしその後、俺達の仲が許されることはなかった。 
この世では。 

俺達は、色々な所に行った。出来るだけ人がいない、綺麗な自然が残る場所に足を運んだ。 

そして、ある地に辿り着いた。深い山の奥で、目の前には湖が広がり、そのすべてを薄い霧が包む。楽園のような場所だった 

彼女は湖のあちこちを指差した。魚がいるのか、湖面にしぶきが上がる。月の光を受けて輝いていた。湖も、彼女も。 
彼女は泣いていた。照れながら俺のポケットに手を入れた。 
「素敵な場所だ」 
「……そうだね」 
彼女は肩を震わせた。俺達は、この場所に決めた…… 


なのに、俺は生きている。俺だけが生きている。彼女に沢山のものを貰っておいて、彼女の全てを奪ったのだ 

今日も俺は、彼女に償う方法と、俺に見合う報いを考えている。 
何も浮かばなければ、同じ季節に俺はまた、あの地へ行く。彼女は今も、冷たい水の底で俺を待っているんだ…… 



彼女との一番の思い出は、あの風景だった。

☆恋愛速報管理人MK コメント☆

恋愛速報管理人
・・・続きないのこれ!?

引用元: 
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